活動レポート

災救マップを活用した災害時協力に関する協定の締結について

2022/02/14

 

この度、大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)は、「災救マップを活用した災害時協力に関する協定」を、大阪大学大学院人間科学研究科と、一般社団法人地域情報共創センター(RICCC)、特定非営利活動法人日本防災士会との間で締結しました。この4者連携により、避難所の開設状況、混雑状況、電気・水道・ガス・通信といったインフラ稼働状況をWebアプリである「災救マップ」※により迅速に伝える体制を整えてまいります。

連携協定締結主体:
大阪大学人間科学研究科 http://www.hus.osaka-u.ac.jp/
一般社団法人地域情報共創センター https://riccc.or.jp/
特定非営利活動法人 日本防災士会 http://www.bousaisikai.jp/
大阪大学社会ソリューションイニシアティブ
https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/


※災救マップとは

「災救マップ」は「未来共生災害救援マップ」の略称。避難所情報を共有するためのウェブ情報システム。寺社などの宗教施設と学校や公民館などの指定避難所や緊急避難場所を合わせ約30 万施設を集約、インターネット上で公開しています。2013 年に国の補助金で開発した大阪大学の知的財産で、2020 年のリニューアルでは、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC などのブラウザーで避難所施設の開設状況、混雑状況、インフラ稼働状況などを発信・共有できる仕組みを搭載しました。

 災救マップ ウェブサイト
 https://map.respect-relief.net/

「なぜ、今、行うのか?」本協定の意義

災害が頻発する中、行政および社会福祉協議会に加えて、大学も自治会・町内会、寺社等宗教施設、自主防災組織、企業、NPO 法人など社会の様々な方々と連携して災害への備えと対応をしています。稲場圭信人間科学研究科教授のこの「災救マップ」を含む研究は、2017 年度からSSIの基幹プロジェクト「地域資源とIT による減災・見守りシステムの構築」(https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/core/disasterprevention/)として位置付けられ、この連携の動きをより社会的な力にすべく、地域資源と科学技術を導入したものとして進められてきました。そして、この基幹プロジェクトでの取り組みをより具体的に社会実装を推し進めていくことを目的に、2019 年10 月に、一般社団法人地域情報共創センターを設立されました。また、科学研究費「宗教施設と行政と市民の連携による減災・見守り」(代表:稲場圭信、分担者:川端亮)では、この連携の動きの全国調査を行っています。
避難所を開設・運営し、時々刻々と変わる避難所の状況を役所の対策本部および市民に通知する、これらをすべて自治体職員だけで対応するのは非現実的です。大災害時には自治体職員も被災したり、道路が寸断されたりして避難所まで行くことができないという事態も起こっています。そのような状況も想定して、今回の協定では、災救マップを活用して避難所の情報を共有する仕組みを整えていきます。頻発する災害の「経験」と、南海トラフ・首都直下型地震等への「備え」の共有の流れが加速することが期待されています。

SSI基幹プロジェクトページ
「地域資源とI T による減災・見守りシステムの構築」