協力プロジェクト

「新たな防災」を軸とした命を⼤切にする未来社会の提案
Proposing future society where everyone can value lives centering on "New disaster prevention"

【 研究代表者 】⽊多 道宏 工学研究科 教授

本プロジェクトは、先導的学際研究機構︓「新たな防災」を軸とした命を⼤切にする未来社会研究部⾨(部⾨⻑・堂⽬卓⽣教授)の活動を、SSI の理念に結び付けるために編成するものです。

⼤災害への対策を、疲労した都市・地域の社会・経済・空間構造を未来に相応しいものへと再編するための転換点と捉え、命を⼤切にする未来社会(「命の世界」)を具現化するための「新たな防災」の学術体系の構築と社会的実践を試みることを⽬的とします。

「命の世界」の総体は「⾃然・⽣態系の世界」、「物理的世界」、「社会関係の世界」からなる「実世界」と「⼼の世界」が密接に連携し、統合されることで成⽴します。しかし、戦後に構築された社会・空間システムが巨⼤化・硬直化し、「実世界」の中のレイヤーどうしの関係、および「実世界」と「⼼の世界」の関係が分断されています。本プロジェクトでは、「新たな防災」という視点から、「実世界」と「⼼の世界」を「仮想世界」の形成も含みつつ再接続し、すべてのレイヤーが有機的につながる「命の世界」の復活を⽬指していきます。

活動は主に次の6つの内容からなります。

①命を⼤切にする未来社会を構想するためのワークショップ
 ⽂理にわたる本学の研究者が中⼼となり、話題提供と意⾒交換を基に、命を⼤切にする未来社会のアジェンダづくりや実現のために取り組むべきことについて議論を積み重ねる。次年度より学外の⽅々の参加も進めます。

②⾃治体における公開ワークショップ
 本プロジェクトメンバーが⾃治体に出向き、視察とワークショップを⾏います。双⽅から発表を⾏い、命を⼤切にする未来社会形成のための課題の共有と政策形成などについて意⾒交換を⾏い、強い連携を構築します。

③⼤阪ベイエリアにおける共創フィールドの構築と実践
 学⽣のPBL (Project Based Learning) 型授業等を通して、⼤阪ベイエリアにおける地域・まちづくりの共創フィールドを構築し、⼤阪・関⻄万博が都市・地域にインパクトを与えるための研究・実践活動を展開すします。

④他組織によるサロン・シンポジウム等への参画
 他組織が主催するシンポジウム、セミナー、研究会に参加し、研究・実践のためのネットワークの構築を進めながら、「新たな防災」や「命を⼤切にする未来社会」の概念の深化や拡張をはかります。

⑤出版・広報
 ⼀般書籍、研究書などの発刊や、ホームページ、SNS などを通して取り組みの成果を世の中に発信していきます。

⑥⼤阪・関⻄万博「いのち会議」への提⾔
 以上の成果を取りまとめ、⼤阪・関⻄万博「いのち会議」への提⾔を⾏います。

研究キーワード
防災、⼼の世界、仮想世界、実世界、グループダイナミックス、共⽣学、フューチャーデ ザイン、デジタルツイン、⾃治体連携、都市構造、都市防災DX、モビリティ、物流、環 境・エネルギー、⽣態系
社会課題
防災・減災対策、命と⼼の尊厳の回復、コミュニティの再⽣、都市・地域構造の再編、 ⾏財政システムの再構築、社会を⽀える科学技術のあり⽅検討、社会・空間・⽣態 系の分断の回復