協力プロジェクト

東南アジアと日本における持続的な食料生産と消費の構築
Comparative research on sustainable food production and consumption: from the cases of food loss in Southeast Asian countries and Japan

【 研究代表者 】住村欣範 グローバルイニシアティブ・センター准教授

フードロス(Food loss)とは、生産し廃棄したもの、売れ残りや食べ残し、期限切れ食品など、本来は食べることができたはずの食品が廃棄されること、あるいは廃棄された食品のことをいいます。食品の廃棄や損失の原因は多様で、生産、加工、小売、消費の各段階で発生します。フードロスの問題が脚光を浴びるようになったのは2011年にFAOが「Global Food Losses and waste」を発表したことによります。このレポートによると、人が食べるために生産された食料の三分の一に相当する約13億トンが毎年捨てられていると推計されています。これは、世界の20億人の人口を養える量です。また、各地域の一人当たりのフードロスを見てみますと(第1図)、いずれの地域でも、生産段階の食料ロスが程度似たような量であるのに対し(南・東南アジアは例外的)、消費段階では、大きな差異があることが見て取れます。
フードロスは、人類規模で起こっている現象であり、また、SDGs12の持続可能な生産と消費を確保するという課題の典型的な問題の一つに挙げられます。

本プロジェクトでは、フードロスをテーマとして取り上げ、以下の問題を考察します。

①ベトナム(典型的な生産国)とブルネイ(典型的な消費国)を東南アジアにおける具体的な考察の対象として調査を行い、フードロスの発生状況とその原因について、日本との比較を行いながら考察します。
②人類史上特異な現象と考えられる大量のフードロスの発生について、市場経済、衛生、リスク、人口、都市化、種としての心理などの視点から、人類学的な考察を行います。
③東南アジアと日本の間の関係において発生しているフードロスについて考察し、既存のフードチェーンの在り方を革新する新たなフードシステムの可能性について考察します。
④上記③において考察したフードシステムにおいて必要となる可能性のある科学技術について考察します。
⑤以上の①から④の成果を踏まえ、政策提言を行います(主に、ベトナムとブルネイに対する提言)

以上の研究プロセスと成果を、複雑化するフードセキュリティの問題に位置づけ開発、提言、実装などによって社会に貢献していきたいと考えております。

研究キーワード
地域研究(ベトナム、ブルネイ、日本)文化人類学(食) 経済学(経済政策)プロセス工学(バイオセンサー)生物工学(植物ワクチン)
社会課題
フードロス(特に東南アジアにおける) SDGs12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する(つくる責任、つかう責任)