2015年に『持続可能な開発のための2030アジェンダ』が採択されたのち、世界全体でSDGs達成に向けた取り組みが推進されている。我が国でも「SDGs実施指針」や「SDGsアクションプラン」などの各種指針や計画が示され、産官学民連携のもとで様々な取り組みが推進されている。SDGsを全国的に推進するためにも地方自治体による取り組みが不可欠であり、SDGsを原動力とした地方創生の推進、強靭な循環共生型社会の構築の重要性が示されている。SDGs達成のための「行動の10年(Decade of Action)」に突入したこともあり、取り組みの一層の拡大が求められている。
以上の背景から代表者らは「ローカルSDGs」を策定・推進することを提起し、その普及に取り組んできた。現在、環境省のプロジェクトとして、環境研究総合推進費 研究課題 1-2104 「ローカルSDGs推進による地域課題の解決に関する研究 (Research on Solving Regional Issues by Promoting Local SDGs)」を推進している。このプロジェクトのメインのミッションは、デジタル空間に産官学民全てのステークホルダーがThink globally, act locallyをスケールアップしていくことを支援するための知の拠点を創ることである。
本協力プロジェクトとしては、SDGs達成に向けた取組や成功事例を登録・検索・共有することを可能とするオンラインプラットフォームを構築し、全国の全ての人のSDGsへの取り組みを支援することを目的とする。このプロジェクトのコアは 「Platform Clover」と呼ばれるSDGs達成を総合的に支援するための知識プラットフォームである。
図に示すように、Platform Cloverは産官学民が行動の10年を強く意識したシステムになっている。SDGsの達成に向けて取り組む意思表示を行うことができる「①SDGs取り組み宣言機能」、過去に取り組んできたことをSDGsの17のゴールに紐づける「②SDGsポートフォリオ機能」、持続可能な社会の構築に資する中長期的な取り組み(プロジェクト)を発信できる「③プロジェクト発信/検索機能」、中長期目標の実践状況をフォローアップ&レビューするための「④プロジェクト進捗管理機能」、プロジェクトにかかわる日々の活動の報告を行うことができる「⑤アクティビティ発信/検索機能」、自身のニーズやシーズをSDGsに紐づけて発信、他者が発信したニーズやシーズを検索することができる「⑥ニーズ・シーズの発信/検索機能」、SDGsの達成に向けた連携支援する「⑦パートナーシップ申請/表明機能」、興味のあるプロジェクトを実践している個人(組織)にオンライン上でメッセージを送ることができる「⑧メッセージやり取り機能」など、2030年に向けた行動とその基盤となる協働を支える機能を実装している。
地球環境問題に対する今できるDXを今実行しようとしている。これらの機能を有するプラットフォームを大阪大学SSIが推進する各種万博関連の活動と連携させ、SDGs未来都市を代表とする全国の様々なステークホルダーの参画との連携を支援し、誰一人取り残さない社会の構築に貢献する。
研究協力者
(学内)
社会ソリューションイニシアティブ 教授 伊藤武志
社会ソリューションイニシアティブ 特任助教 宮﨑貴芳
(学外)
兵庫県立大学 准教授 増原直樹
熊本県立大学 准教授 岩見麻子
総合地球環境学研究所 准教授 熊澤輝一
- 研究キーワード
- 持続可能な開発目標(SDGs)、オンラインイノベーションプラットフォーム、デジタルトランスフォーメーション、パートナーシップ
- 社会課題
- SDGsの行動の10年に向けたパートナーシップの形成