この調査研究「Shape New World Project」は、2045年に訪れるであろう未来社会を主体的かつ妥当性のある形で描いていくものです。私たちは、科学技術や社会システムが変革する未来を具体的に想像することで初めて、そのような未来を創造することができると考えています。フォーキャストの方向にだけ研究開発を進めていくのはコンパスや地図のない旅路のようで、ときに『すばらしい新世界』(Brave New World)のようなディストピアへ繋がりかねないという危機感もあります。大胆かつ望ましい未来を思い描き、そこからバックキャストした緻密なロードマップを調査研究によって策定していくことが未来を形作ることになります。
なお、本調査研究の成果は「Shape New World Initiative」を通じて、2025年大阪・関西万博のテーマウィークにおける次世代・インクルージョンの八日間にわたるセッションで発表される予定です。調査研究の研究テーマはテーマウィークのテーマ分けに対応しており、地球の未来と生物多様性、健康とウェルビーイング、平和と人権、食と暮らしの未来、学びと遊び、未来への文化共創、未来のコミュニティとモビリティ、SDGs+Beyond いのち輝く未来社会の八つについて、書籍や論文、トレンド分析などの文献調査を行い、専門家へのインタビューやヒアリング、市民参加型のワークショップ等を行って調査を進めています。
私たちは、歴史を振り返ったときに小さな出来事がバタフライエフェクトを起こしてきたことを認識します。その一方、現在の私たちの一つ一つの行いが未来にどれだけ影響を与えうるのかという視点は軽視されているのではないでしょうか。そのように未来を見据えた長期的な視座で活動することは長期主義と呼ばれ注目されています。未来世代からみて良き祖先であるように、この調査研究が未来をつくるきっかけになることを願っています。
研究協力者(学内)
堂目 卓生(経済学研究科教授、社会ソリューションイニシアティブ 長)
研究協力者(学外)
吉田 慎哉(芝浦工業大学 機械機能工学科 准教授)
佐竹 麗(慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 特任助教)
秋山 肇(筑波大学 人文社会系 助教)
鎌谷 かおる(立命館大学 食マネジメント学部 教授)
岸野 文昭(東京大学大学院医学系研究科 特任研究員)
山科 言親(同志社大学宮廷文化研究センター研究員)
今西 美音子(株式会社竹中工務店 技術研究所 研究員)
石澤 宰(東京大学生産技術研究所 特任准教授)
共同研究機関(自治体等を含む)・連携機関
国立研究開発法人 科学技術振興機構
公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会
大阪商工会議所
世界経済フォーラム(Global Shapers Community)ほか
- 研究キーワード
- 気候変動、脱炭素、生物多様性、サーキュラーエコノミー、 再生可能エネルギー、水素社会、ネイチャーポジティブ、森林破壊、海洋汚染、里山再生、淡水資源、感染症対策、ウェルビーイング、ゲノム医療、再生・細胞医療・遺伝子治療、PHR、健康寿命、SBNR、安全な水とトイレ、飢餓、貧困、格差社会、人権侵害、児童労働・強制労働、人身売買、障がい者参加、ジェンダー平等、LGBTQ、女性の活躍推進、移民、人間の安全保障、多様性と包摂性、フードロス、フードテック、食育、食文化、スマート農林水産業、サステナブルファッション、エシカル消費、生涯学習、EDTEC、知財活用、個別最適化学習、遠隔教育、若者自立、教育格差、STEAM、アントレプレナーシップ、世界の遊び、伝統芸能、歴史遺産、地域活性化、観光、アート、音楽、スポーツ、文化芸術、クールジャパン、マンガ・アニメ、e スポーツ、スマートシティ、デジタル田園都市、防災・復興、メタバース、宇宙、ロボット、EV・FCV、自動運転、空飛ぶクルマ、サイバーセキュリティ、MaaS 、SDGs、ポストSDGs、いのち、未来社会、Society5.0など
- 社会課題
- • 豊かで多様ないのちが住む地球を未来に残すために、私たちは何をすべきか?
• 一人ひとりのウェルビーイングが共鳴する社会をどう実現するか?
• あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために、世界は何をすべきか?
• 全ての人々が食と暮らしに困ることがない未来はどのようにすれば実現できるのか?
• AI時代において人は何を学べば良いのか?
• 多様な文化が共鳴し、未来への文化が共創されるために、私たちは何をすべきか?
• 誰もがその人らしく生きられるコミュニティとは?
• SDGsは達成できるか?そして、その先はどうする?