近代社会において、人の「命」は肉体に宿り、肉体的な「命」が終わると当事者の世界も消失するという考え方が一般的です。「生」と「死」を独立したものとして捉える傾向があります。
しかし、近代化以前の社会では、肉体的な「命」が終わっても、子孫が先祖を弔い、地域社会で精神的に生き続けると考えられていました。
内山節氏の言葉を借りれば、「いのち」は個人の肉体ではなく、人と人との関係の中に存在するのです。地域の人々が共同の生業を持ち、それを維持するために祭礼を続けることで、共通の価値観が形成されてきました。
現代の都市では、多様な価値観や職業の人々が共存しています。個と社会を大切にする新たな「公共性」の形が求められているのです。アートの鑑賞は個人的な体験ですが、その感動が人と人との共感やつながりを生み出す可能性があります。
本シンポジウムでは、大林組代表取締役会長の大林剛郎氏を迎え、都市空間におけるアートの可能性を考察します。さらに、グループセッションでは、「いのち」を継承する新たな防災を支える科学技術や自然生態系の役割について議論します。
- 開催情報
日時:2025年5月8日(木) 13:30~17:00(開場13:00)
場所:大阪大学中之島センター第一部 10階 佐治敬三メモリアルホール(および6階セミナールーム)対面会場とメタバース会場のハイブリッド開催
定員:200名(対面150名+メタバース50名)※メタバースにて配信いたします。主催:大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)
共催:いのち会議、大阪大学先導的学際研究機構 「新たな防災」を軸とした「いのち」を大切にする未来社会研究部門(New-POD)、一般社団法人 生産技術振興協会
- プログラム
13:30 第1部 基調対談 <会場:10階 佐治敬三メモリアルホール>
対談テーマ:「都市とアートと人の役割 ~「いのち」を大切に想う感性とは~」
大林 剛郎 氏 株式会社大林組 取締役会長 兼 取締役会議長
木多 道宏 氏 大阪大学 総長補佐、SSI副長、New-POD部門長、工学研究科 教授
松本 文子 氏 大阪大学 大学院工学研究科 特任准教授、大阪関西国際芸術祭 コ・メディエーター、一般社団法人 workshop space Apprendre 代表理事
14:40 会場との質疑応答
15:15 第2部 グループディスカッション<会場:6階 セミナールーム>
テーマ「みんなで考える『命』と『いのち』を守るための取り組み」
グループA【科学技術でつなぐ「命」+「いのち」】
井口 奈保 氏 Give Space提唱者・アーティスト
七野 司 氏 貝塚市 総合政策部 行財政管理課 参事 兼 公共施設マネジメント室長
下條 真司 氏 青森大学 ソフトウェア情報学部 教授
富士榮 尚寛 氏 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 みらい研究所 研究所長
渥美 公秀 氏 大阪大学大学院 人間科学研究科 教授
新藤 一彦 氏 大阪大学 共創機構 特任教授(常勤)グループB【アートでつなぐ「命」+「いのち」】
鈴木 大輔 氏 株式会社アートローグ 代表取締役CEO
山納 洋 氏 大阪ガス株式会社 エネルギー文化研究所 所長代理
松本 文子 氏 大阪大学大学院 工学研究科 特任准教授
石田 海 氏 大阪大学 大学院人間科学研究科 助教
金 徳祐 氏 大阪大学大学院 工学研究科 助教グループC【空間でつなぐ「命」+「いのち」】
泉 征弥 氏 株式会社コンティニュウム・ソーシャル 代表取締役
岡本 俊一 氏 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 みらい研究所 リードスペシャリスト
岸畑 聖月 氏 株式会社 With Midwife 代表取締役
小林 秀人 氏 大和リース株式会社 民間活力研究所 専任課長
堤 研二 氏 大阪大学 先導的学際研究機構/工学研究科/国際機構 招へい教授16:45 各グループ発表・ゲストコメント
16:50 総括と閉会のことば
大阪大学総長補佐、SSI長、特任教授(常勤) 堂目 卓生17:00 全体終了
- 申込み
お申し込みは、こちらのお申し込みフォーム
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