SSIの概要

SSIとは

社会ソリューションイニシアティブ(SSI)は、大阪大学の人文社会科学系部局が中心となって、理工系・医歯薬系など自然科学系の研究者と連携を図りながら、さらには、パプリックセクターや民間企業など、さまざまな社会のステークホールダーと協働しながら社会課題の発見と解決を進め、持続可能な共生社会を構想する大阪大学のシンクタンクです。社会との連携においては、「共創機構」と協力を図り、また「COデザインセンター」等と連携して未来の社会を担う人材を育成することも視野に入れています。

持続可能な共生社会を実現するために社会を先導する組織、また大阪大学のさまざまな活動をこの目標に向かって先導する組織、それが「社会ソリューションイニシアティブ」です。

取組の進め方

  • <ステップ1> 
    最初のステップとして、持続可能な共生社会とはどのような社会かを考え、その構想のもとで、解決しなくてはならない諸課題を発見し整理します。この段階から、研究者のみならず、社会のさまざまなステークホールダーとの協働を始めます。活動の具体例としては、学内外の人びとが集ってあるべき将来の社会像について意見を出し合い、実現に向けた課題の整理を行うSSIサロンの開催が挙げられます。
  • <ステップ2> 
    次に、発見・整理された課題ごとに「基幹プロジェクト」のチーム(PT)を作って、セミナーやワークショップを開催し、必要に応じてフィールドワークなども実施して研究を進めます(「基幹プロジェクト」とはSSIが主体となって進めるプロジェクトです。これ以外にSSIが支援する「協力プロジェクト」があります)。 基幹プロジェクトの各チームには2~3人の学内研究者から成るコアメンバーを置き、うち1人がプロジェクトリーダーになります。コアメンバーは、学内のみならず、学外の研究機関、パブリックセクターや企業からも集め、チーム全体の規模は10人~15人です。プロジェクトの期間は原則として1年~3年です。 プロジェクトの進捗状況はホームページに随時掲載し、さまざまな意見を取り入れながら、論文等の学術的成果に加えて、関係機関への提言や報告、また実社会におけるアクションなど、課題解決のための多様なアウトプットにつなげていきます。
  • <ステップ3> 
    SSIの各プロジェクトチームによる、こうした諸課題の発見、整理、解決に向けた取組を横断したシンポジウムやフォーラムを開催し、持続可能な共生社会を実現するための新たな社会システムを考察し、提言します。そして更新された社会システムの構想をもとに、解決すべきさらなる諸課題を発見します。つまりステップ1に戻って、新たなラウンドを始めます。

SSIの特徴

このようにして進めるSSIの取組において、強調しておきたい特徴が3つあります。

第1に、取組は人文社会科学系の研究者だけでなく、理工系や医歯薬系の研究者にも参加してもらうということです。SSIは文理の壁を越えた組織です。

第2に、3つのステップすべてにおいて、国内外のさまざまな組織との連携を図るということです。大学と官民組織がリソースを持ち寄って、課題の発見、解決、そして新しい社会システムの構想に取り組みます。

第3に、すべてのステップにおいて、学生、とくに大学院生を参画させることによって、持続可能な共生社会の実現に貢献する人材を育成するということです。学生たちには、シンポジウムやワークショップだけでなく、実際にプロジェクトチームに入ってもらい、大学の研究者、社会のステークホールダーと共に考え、共に解決策を見いだすという経験を持ってもらいます。2030年、2050年の日本や世界に向けて、人材を発掘、育成していきます。