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菅野 拓 SUGANO Taku
京都経済短期大学経営情報学科 講師

プロフィール

大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は人文地理学、サードセクター論、防災・復興政策。東日本大震災では被災者生活再建支援・生活困窮者自立支援を実施するNPOの事業を立ち上げ、仙台市などと協働。近著に『つながりが生み出すイノベーション―サードセクターと創発する地域―』(単著、ナカニシヤ出版)。最近の主な委員として復興庁「多様な担い手による復興支援ビジョン検討委員会」ワーキンググループメンバー、厚生労働省・内閣府「医療・保健・福祉と防災の連携に関する作業グループ」参考人、熊本市「復興検討委員会」委員など。

自己紹介

臨床の社会科学者として生きています。研究者としては参与観察・アクションリサーチ、実務家や社会活動家としてはNPOの事業立ち上げや制度改正につながる動きなど、サードセクター、都市・地域、災害対応などをキーワードとして、セクターや分野を超えて越境的に活動しています。

研究紹介
基礎的な研究として、社会変動の動因のひとつとなっているように見えるNPOなどのサードセクターの理解(特にイノベーション創出メカニズムの把握)や、「場所性」の経済地理学的理解(都市や地域がもつ独自の制度構築メカニズムとその影響の把握)を目指しています。応用的な研究として、災害対応にかかわる法制・体制・活動などの歴史的把握や、災害対応におけるセクター間連携手法のモデル化など、防災・復興政策の向上に資する研究を行っています。

私の取組み・プロジェクト

テーマ
災害救助・被災者支援の現代化
対象としている社会的課題
災害復興、特に被災者の生活再建
目的とアクション
戦前と同じように混乱する現在の避難所に象徴されるように、「ある地域にたまにしかこない」という災害のもつ社会的課題としての特性から、災害救助・被災者支援の仕組みは社会的な学習がうまく働かず、古い制度や体制が残り続けています。上記の応用的な研究、NPOの事業、アドボカシーなどとして、様々なセクターの人や組織と一緒に、災害救助・被災者支援について学習し、制度改正や新しい体制の構築など、災害救助・被災者支援の現代化を目指しています。

SSIについてのメッセージ・感想

今の社会、特に日本社会は待ったなしの沈みゆく船に見えます。新しいやり方を社会に適用しなければならないのですが、イノベーションを生み出したり、それを社会実装していく回路が古く硬直的に見えます。この状況をブレークスルーしていくのは、様々なつながりの中で活動する個々の人です。こういった人を研究として理解でき、社会的に擁護し、育てることが必要だと感じます。このような人を通したブレークスルーの条件整備にSSIが力を発揮されることを願っています。